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2017/01/25

人工知能(AI) × デジタルサイネージ!その技術と活用方法を紹介!

サイネージあれこれ
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人工知能(AI) × デジタルサイネージ!その技術と活用方法を紹介!

『人工知能(AI)搭載型家電』、『機械学習を使ったビジネス』など人工知能(AI)や機械学習などの言葉を最近良く耳にしませんか?自動車の自動運転も人工知能(AI)が使われていますが、デジタルサイネージでもこの人工知能(AI)の技術をつかったものが出てきました。

デジタルサイネージと聞くと販売促進や広告の映像表示、交通情報やフロアマップなどの情報提供するシステムと思われがちです。そのサイネージと人工知能(AI)が組み合わされると何が良い事があるのでしょうか?

そもそも人工知能って何か?というところから解説し、その技術をどう利用するのか、実例と共に将来性について説明致します。

人工知能(AI)とは?

まず良く聞かれる人工知能とは何かを理解しておきましょう。

人工知能は、英語ではArtificial Intelligence 、AIと略されます。コンピュータ上において人間の知能(学習、推論、判断など)を実現するための技術の総称です。

人工知能といっても、人間の知能そのものをコンピュータ上で実現するアプローチと人間が知能を使ってすることを機械的にコンピュータで実現するアプローチがあります。現在、人工知能(AI)と呼ばれている技術は後者が大半です。

小難しい技術と思える人工知能(AI)ですが、歴史的には非常に古く1940年頃から考えられていました。実はビデオゲームでも人工知能(AI)は使われているのです。1978年に発売されたインベーダーゲームをはじめパックマンといったアクションゲームの敵の動き、将棋やチェスなどの対戦ゲームに使われています。プレイヤーの動きを予測して行動するアルゴリズムは人工知能の一つです。

最近では、部屋の温度変化を予測して空調を制御するエアコン、部屋のレイアウトを覚えて自律して掃除を行うロボットなどにも応用されています。

ゲームやこれらの家電は、基本的に、あるルールに則り行動や判断を下していきます。最近では、ある程度のサンプルデータがあれば自動的にそのルールやパターンすらも人工知能が学び、知識データとして積み重ねていき、コンピュータが自律的に判断していくことができるようになってきました。これらを実現するには「機械学習」「ディープラーニング(深層学習)」という技術が支えています。

機械学習

データから反復的に自動的に学習することで、そこに潜むアルゴリズム、パターンや特徴などを抽出することを機械学習といいます。

例えば、リンゴとブドウが混ざっている画像からリンゴとブドウを識別するとします。サンプルデータとしてリンゴとブドウの映像を入力データとして多量に用意し、学習させれば識別精度を上げていく事ができます。ただし、この機械学習の場合は大きな課題があります。人間が「どんな特徴やルールが必要か」を与えなければいけないことです。例えば『色で識別』(赤いのがリンゴで紫色がブドウ)がルール(特徴)になります。

ルールがはっきりしているときには非常に有効な手法です。

りんごの写真

ディープラーニング(深層学習)

ディープラーニングは機械学習の手法の一つです。大きな特徴は、先の機械学習の課題であった人間が行う特徴やルール設計をコンピュータ自ら自動で行う事ができます。

詳細は割愛しますがやや乱暴目に言うと、リンゴとブドウの識別は、リンゴ単体、ブドウ単体の画像データを大量に用意しておけば勝手にその中で特徴を掴んでリンゴとブドウがどういうものなのかをルール化します。そのルールを使ってリンゴとブドウの識別が可能になります。

GoogleがYouTube動画から抜き出した多量の画像データにおいて「猫の特徴」を入力することなく猫の特徴を自動抽出して猫画像を認識した事例もあります。

人工知能については下記でも分かりやすく解説していますので参考にしてください。

デジタルサイネージで利用される人工知能(AI)とは?

具体的にデジタルサイネージで利用される人工知能(AI)とはどんな技術なのでしょうか?スマートフォンやデジタルカメラなど身近な機器にもすでにその技術は使われています。

ここでは、デジタルサイネージに利用される人工知能(AI)を使った技術を紹介します。

顔認識・推定技術

顔認識・推定技術

顔認識技術はカメラに写った画像等から人の顔がどこにあるかを一瞬で判断します。顔だけでなく目や口の位置や向いている方向も正確に導きだします。加えて、笑顔かどうか、性別、年齢、表情(喜怒哀楽など)も推定できるようになってきました。

年齢、性別、表情推定は多くのサンプルデータを分析してパターンを導きだし、そのパターンに則り推測されます。よって、サンプルデータは多ければ多いほど一般的には精度があがります。もちろんその顔が誰なのかの顔識別も可能です。

音声認識技術

音声認識技術

音声認識技術の歴史は非常に古いのですが、近年非常に精度があがってきました。人の声(波形)を文字にする音声認識技術ですが、一昔前は単語の認識がメインでした。つまり、「今日」「東京」「天気」といった単語のみを認識するので限界でした。しかし今は「今日の東京の天気は?」「近くのトイレを教えて」といった話し言葉に近い音声も認識できるようになりました。

自然言語処理

自然言語処理

文章における品詞や係り受けの判断を行って文章構造を解析するのが自然言語処理です。

「ここの明日の天気は?」において『明日→2017年1月1日』『ここ→現在地』という変換も処理します。

最近は文章の内容を理解して要約、応答文を自動で生成するといった処理も開発されています。LINEや Twitterなどのbot(機械による自動発言システム)などに利用されています。

行動・嗜好推定技術

人が次にどういう行動を予測する技術も開発されています。購買履歴やネットのサイト閲覧履歴等からユーザーの嗜好や趣味などプロフィールを推定する技術も開発されています。

これらは、実際の顧客アンケートや実際の購買データを利用して仮説パターンを作るところから人工知能を使っています。

人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージとは?

実際に人工知能の技術を使ったデジタルサイネージにはどのようなものがあるのでしょうか?

顔認識・推定技術を使ったデジタルサイネージ

AR(拡張現実)を使って非日常体験を提供するインタラクティブデジタルサイネージでは、カメラやマイクなどが良く利用されます。カメラで取得した画像から顔や動きを認識するアルゴリズムに人工知能が使われています。顔のパーツや動きに合わせてCGエフェクト演出します。

インタラクティブサイネージ

また、デジタルサイネージの前に立ったユーザーの画像から性別/年齢層/表情などを推定し、マーケッティングデータからマッチする製品や情報をリアルタイムでそのユーザーに提供することもできます。

この実例として、JR東日本ウォータービジネスの開発した自動販売機があげられます。自動販売機の前に人が以内時には商品説明などの画像が表示され、購入客が来ると年齢層と性別、時間帯や気温からおすすめ商品を表示します。

同様な事例はSIPO取材記事“顔認証機能でテロリストも判別出来る!高性能デジタルサイネージ搭載の自動販売機とは”にもありますのでご参考ください。

画像・行動推定技術を使ったマーケッティングツール

Intelligent Digital Signage marketing and face recognition concept. Two women walk through interactive artificial intelligence digital advertisement in retail shopping Mall.

デジタルサイネージにおいては効果測定が重要です。その広告や情報表示によってどれくらいの効果があったか(視認したか、販売行動に結びついたか等)を測定し見える化することです。

カメラで撮影したユーザーの画像から推定したデータ(性別/年齢層/表情/視線など)はその場で利用するだけに留まりません。データとして蓄積しその時に表示していた情報や行動(場所を検索した等)と組み合わせて分析すれば、非常に強力なマーケッティングデータとなります。また視線や滞留時間も抽出できます。

これらの作業は実際にサイネージを設置している場所で人間が実際に目視(モニタリング)する必要がありました。現在は、人工知能の技術を使って、映像データからどのような商品をどのような年齢層が興味をもったか、もたなかったのか等を自動で分析できる時代になりました。

対話型デジタルサイネージ

音声認識と言語解析技術により対話型で情報提供できるサイネージも出てきました。

例えば、観光案内や交通案内を行うサイネージにおいてユーザーの声による質問に対して回答できます。「今、一番空いているレストランは?」と聞くと音声合成を使って教えてくれます。音声認識エンジンが多言語に対応していれば、訪日外国人などにも対応できます。音声合成も最近は非常に精度がよく、以前のような機械的な音声ではなく喜怒哀楽など表情なども表現でき、自然に聞き取れるようになってきています。

これからの人工知能を使ったサイネージは?

pepper

人工知能を使ったサイネージとしての最先端は『対話できる人型ロボット』があげられます。ソフトバンク社のPepper が有名ですが、すでに店舗の前で商品説明や簡単な案内をするなどデジタルサイネージとして利用されているケースを見かけます。

見た目がロボットでなくても、Apple社 の “Siri” や DOCOMO社の “しゃべってコンシェル” のように画面上に存在する対話エージェント(キャラクタ)が情報提供や販促そしてエンターテイメント体験を提供していくケースもあります。

これらはかつての看板がデジタル化したというよりも、人間のタスク(やる事)を人工知能が置き換わって行うケースです。今後はこのような事例は増加していくと思われます。

次に『次世代ターゲッティング広告』があります。

ターゲット広告とは、広告の対象者の行動や興味を推測してターゲットを絞って広告を打ち出すことです。前述のように、人工知能を使った技術でどのような人がどういう行動をして次にどういう行動をとるか、どういう好みがあるか、という推定ができるようになってきました。これにより、より精度高くターゲット広告ができます。もちろん、個人の行動推定だけでなく、天気・季節・時間など複合的に判断してリアルタイムに広告をだしていくことになります。

最近は、人だけでなく走行中の自動車を画像認識で車種を識別しターゲッティング広告を行う実証実験も始まっています。(クラウディアン株式会社様 プレスリリースより)

まとめ

今回は人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージについてざっと説明しました。

人工知能というとロボットを思い浮かべる人も多いと思いますが、実は身近の機器やアプリケーションで利用されている技術です。画像認識の応用としての行動推定や音声認識と言語解析の応用による対話などがようやく実用可能レベルになりつつあります。

単純に今まで人が考えてスケジューリングしていた広告の動画やオススメ情報、交通案内などコンピュータが自動で判断して提供していく時代になっていきます。

このように人工知能によって人手で計測・推測・分析していたことが精度高く自動化されるメリットがあります。顧客にとっても興味関心がある商品など個人に最適に情報提供されれば購買意欲が高まります。ひいては店舗にとっても集客に繋がるメリットになります。

一方で自分の行動がコンピュータによって推測・追跡される事に違和感や嫌悪感を感じる人も少なくないと感じます。その為にはしっかりとユーザ(顧客)が満足できる体験を提供して、そのメリットを感じてもらう必要があります。

対話ロボット型サイネージも最初は集客効果があったけれどすぐに見向きもされなくなったという事例も聞きます。これはなぜでしょうか?これについては改めて記載したいと思います。

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