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2016/10/27

低価格・低予算でデジタルサイネージを導入する方法

サイネージあれこれ
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タブレット

デジタルサイネージの導入にかかる費用の内訳とは

店舗や公共施設などで見かけるようになったデジタルサイネージ、低価格・低予算で導入できるものでしょうか?ネットで検索してもデジタルサイネージ導入にかかる費用はなかなか表示されてなく、不安に感じる方も多いかと思います。なぜ価格が出ていないかには理由があります。それを知るには、まずデジタルサイネージ全体のシステムを理解する必要があります。代表的なデジタルサイネージの構成を示します。

デジタルサイネージの構成

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コンテンツ

何はともあれデジタルサイネージにはコンテンツが必要です。コンテンツとは表示再生する画像や動画、例えば店舗であれば、商品の広告、店舗案内、イベントの告知などになります。

 ディスプレイ

ディスプレイ(モニタ)を使ってコンテンツを表示します。

一般的には家庭用のテレビではなく業務用のディスプレイを使います。ディスプレイの輝度、表示色、有効視野角といったスペックが家庭用テレビよりも良いものが多くなっているだけでなく、焼き付き防止や耐久時間なども業務用に厳しい条件下でも問題無く動くことが保証されています。縦置き(90度回転した縦長表示)や屋外設置などの特殊な置き方をする場合には、業務用を使う事が推奨されます。一方で、場所や用途によっては家庭用テレビやパソコンのディスプレイを代用しても問題無く使えるケースもあります。

また、ディスプレイは設置を意識した作りになっていることが重要です。ディスプレイの設置は、柱や天井からのつり下げ方法がよく採用されています。またスタンドに取り付ける方法もあります。どの方法にしても、地震やお客さんが触れて落下転倒しないよう取り付け設置することが必須になります。取り付け位置によっては強度が足りない場合にはその面や壁を強化するなどの内装工事が必要となります。

後述する再生装置とディスプレイはHDMIなどの映像電送ケーブルで接続されます。当然電源ケーブルも必要ですが、これらのケーブルも場所によっては柱や壁の中に隠して配線します。通路にケーブルをそのまま配線すると歩行者が誤ってひっかかり転んだり、ディスプレイを転倒させたりする危険などがあります。ケーブル敷設にも気を配る必要があります。

デジタルサイネージプレイヤー(再生装置)

コンテンツをディスプレイに表示するための再生装置(メディアプレイヤーまたはデジタルサイネージプレイヤー)が必要です。このメディアプレイヤーは表示するコンテンツのスケジュール(いつ、どのコンテンツを、どういう風に表示するか)で管理できるタイプが一般的です。

STB(セット・トップ・ボックス) といわれる専用ハードウェアのものや、PCに専用のメディアプレイヤーソフトウェアをインストールしたものなど形態は様々です。

インターネット回線

上記のコンテンツやスケジュール(いつ、なにをどれくらい表示するか)をUSBメモリやSDカードに収録し、個々のデジタルサイネージプレイヤーにセットすることでデジタルサイネージとしてコンテンツを表示することができます。

しかし、このセットや管理作業はデジタルサイネージプレイヤーの数が増えてくるとかなり手間になります。いちいちその設置されている場所で作業する必要がでてきます。

そこで、再生されるコンテンツやスケジュールは一般的にインターネットのサーバーから配信します。そのためデジタルサイネージはインターネット回線に繋がっている必要があります。設置場所にインターネット回線が敷設されているのであれば、それを使います。

CMS

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、スケジュールを作成しプレイヤーに配信することや、コンテンツを転送することなどを管理するマネージメントシステムです。このCMSシステムにより、いつでもどこからでもコンテンツを変更したり(素材管理)、再生時間を変更したり(スケジュール管理)、実際に動作しているか(端末管理)、そしてどのコンテンツを実際に何回再生したか(ログ管理)、などの管理が可能です。

CMSシステムはデジタルサイネージベンダーが独自で開発しているケースが多く、A社のCMSにB社のサイネージプレイヤーを組み合わせる、ということができない事があります。

予算別デジタルサイネージ機器のおすすめ製品と構成例

非常に低価格でデジタルサイネージを実現できる方法をいくつかご紹介します。

デジタルサイネージの一般的なイメージは、恐らくディスプレイが壁や柱に埋め込まれているのを想像すると思いますが、他にも実現方法はあります。

費用をかけないことによる多少のデメリットはありますが、低予算でまずはデジタルサイネージを手軽に試してみたい、というケースを想定してご紹介します。

デジタルフォトフレーム(5千円〜)

一番お手軽で安価な方法として、デジタルフォトフレームを利用する手があります。

例えばソニーのS-Frameの場合は、SDカードに画像や動画を保存しておき、挿入したメディアから再生することができます。もちろん本体に転送しておいて再生することもできれば、無線LANに繋がるならばパソコン内の写真をワイヤレス再生することも可能です。

フォトフレーム

フォトフレームには、静止画スライドショー機能がありますので、商品の説明や発信したい情報の画像コンテンツを用意するだけです。小型なので、レジ脇や机の上、棚などあるところに置くだけでお手軽デジタルサイネージのできあがりです。

最近は、電源ON/OFFタイマーやスライドショーの時間感覚やアニメーションなどがいくつも用意されています。リモコンを使って設定も簡単にできます。

もちろん、表示するためのコンテンツを用意する必要がありますがデジタルフォトフレーム単体では5,000円ぐらいから販売していますので一番安価な実現方法といえるでしょう。

デメリットは、前述したCMS機能がないことです。指定した時間に指定のコンテンツを表示させるという管理ができません。また、フォトフレームの利用性質上、7インチから10インチ程度の画面の大きさが主流で、さほど大きくなく視認性はさほどよくありません。

離れた人にアピールする用途には若干不向きといえます。

タブレット(2万円〜10万円)

ダブレットPCを使う場合もデジタルフォトフレームとほぼ同じ方法になります。

フォトビューワーアプリケーションを起動し、スライドショーモードにします。例えば、Apple社の iOSであれば、標準の “写真” アプリを使います。これらはリピートやランダム再生も可能です。

タブレット

もちろん、フリーや有償の画像や動画再生アプリケーションを利用しても構いません。

Microsoft社のPowerPointでコンテンツを制作し、PowerPoint for Tablet (無償)またはPowerPoint for iPad (無償)にてスライドショーで表示する方法もあります。この場合は、PowerPoint上で使っているアニメーションで再生することができるので、普段使っているPC上でも動作確認がすぐにできます。

また、既存の動画ファイルを使う際には、安価なアンドロイドタブレットに安価な再生管理アプリ(例:500円のシンプルサイネージなど)を入れることで2万円強でタッチ操作などが出来ない簡単なデジタルサイネージを作ることも可能になります。

デメリットは、デジタルフォトフレーム同様にタブレットは画面サイズがさほど大きくなく遠くからの視認性が良くないことが上げられます。文字を表示させるのであれば極力大きな文字サイズにするなどのコンテンツ側の工夫が求められます。また、チェーンをかける、固定されたケースにいれるなどの盗難防止のための対策をしておく必要があります。

テレビ活用(5万円〜)

家庭やオフィスにあるテレビを流用する、またはテレビ一体型のサイネージを導入する方法もあります。

販売されているテレビの一部は、ビデオやフォトストレージなどの各種インターネットサービスに対応しています。例えばYouTube, Googleフォト, iCouldフォトストリーム, Flickr などに対応しています。表示させたいコンテンツをこれらのサービスにアップロードしておき再生するだけです。(*1)ただし、この場合にはインターネットへの接続可能な無線環境が必要となります。

インターネットサービスに非対応テレビの場合には、Google社 Chromecast や Apple社 AppleTVなどのSTBを使うことで実現できます。これらの機能を使うにはインターネット回線(有線または無線)が必要となります。

最近ではスティック型PCという手のひらサイズのものが販売されています。例えば、マウスコンピューター m-Stick MS-NH1 等各社販売されています。これらは超小型ですがWindowsを搭載していますので、フォトビューワーやPowerPoint などを起動しフル画面で再生すれば良いだけです。なお、この場合には、Windowsの通知イベントなどはオフにしておかないと、サイネージとして使っている時にOSアップデート等の通知画面がでてしまうことがあります。

スティック

これらの方法のデメリットは、どの実現方法においてもCMS機能がないことになります。また注意点として、テレビが大きくなると耐震などの安全な設置方法を検討する必要があります。壁などに埋め込むなどの工事を伴う場合には内装設計・工事費も当然必要となります。そして、一般のテレビは屋外利用を想定していません。デジタルサイネージを屋外設置するつもりであれば、屋外専用のデジタルサイネージの導入を最初から考えましょう。

このように非常に安価であっても、機能を限定すればデジタルサイネージは実現できます。

ただし、広告効果や情報発信、また管理のしやすさなどを考えるとデジタルサイネージ専用端末の導入をお奨めします。コンテンツ制作ソフトや簡単にスケジュールを構成できるソフトウェアなども同梱されていることが多いようです。

(*1) 映画や販売されている音楽を公共の場所、店舗内で無断で流すのは著作権違反行為となります。オリジナルで制作したコンテンツのみを再生するようにしてください。

デジタルサイネージのコンテンツ種類と相場価格

デジタルサイネージを導入にするにあたっては、コンテンツがなければ何も始まりません。

では、コンテンツ制作にはいくらぐらいかかるのでしょうか?これは実際ピンキリです。

フルHDや4K解像度の動画をCM風にCGなどを駆使しつつ、バックに流す音楽もオリジナルで製作、となると数千万円はかかります。ほぼこれはテレビCMをつくるのと同じぐらいになってしまいます。今回の内容からは、かけ離れてしまいます。

一方で、自分たちで商品を撮影し加工すれば、手間はかかるものの出費はほぼなくなります。スマートフォンで撮影し、スマフォアプリで加工するのも手です。最近は、見栄えをボタン一つで良くしてくれるアプリも多数存在します。これらを利用するのも手です。例えば、Adobe Stock は無料でオシャレなインパクとある画像や動画を無料で作る事ができます。(ただし加工した映像の二次利用可能かどうかの確認はしてください)。

ブログなどSNSサービスを活用している店舗やサービスは、そこで使った写真をスライドショーにいれて、リアリティのある映像を見てもらうのも良いかと思います。

その他、素材だけを買ってきて編集する方法もあります。例えばストックフォトサービス(通称:レンポジ)で素材写真を探してきて利用します。いくつかのサイトと単価を載せました。プロ向けサービスになると1ケタ変わってきます。

サービス名 価格(Full-HD 解像度の写真想定)
Fotolia 約1,400円~
imagenavi 約28,000円~
PIXTA 約1,620円~
iStock by Getty Images 約1,200円~
Getty Images 約15,000円~

ホームページ記載用の写真や動画があるのであれば、それを流用するのも手です。

このようにコンテンツ制作はHP制作と同様に自分たちで作れば安く済みます。しかし、デメリットとしては、やはりそのクオリティが落ちてしまう可能性があること、手間がかかることです。自分たちが良いと思っていても、実際にお客様にアピールしているはずなのに見てくれない、コンテンツの品質が悪くてむしろイメージダウンになってしまう、といったようではデジタルサイネージを導入しても逆効果となってしまいます。

パネル

しっかりとデザインされたコンテンツ(静止画、動画共に)を作るには、やはり5万円10万円とまとまった映像製作費が必要となります。デジタルサイネージでは、システムだけではなくコンテンツも重要です。最終的にお客さんが見るのはハードウェアではなく、そこで表示されている中身、コンテンツなのです。そこはポスターなどの従来のサイネージと変わらない事を覚えておきましょう。

低価格・低予算で実施する為のまとめ

今回は、CMSを使わないで非常に低価格でデジタルサイネージを導入する方法を紹介しました。低予算とはいえ、しっかりコンテンツを用意し、所たる場所に設置をすればデジタルサイネージとして機能するはずです。

リアルタイムの地域情報(天気や交通情報など)を表示しながら広告的なコンテンツも流したい、画面をタッチして行きたい店を検索してもらいたい、緊急情報を受信したら伝えたい、多言語対応したい、といった要件を実現するには本格的なデジタルサイネージを導入していく必要があります。もちろん、費用は今回紹介した方法よりは高くなりますが、レンタル/リースモデルを導入して運用費用を抑えているベンダも多々あります。

最近は、ディスプレイとサイネージプレイヤーが一体型のものも販売されています。これは、USBメモリ等にコンテンツをいれディスプレイに挿入するだけです。縦型にも対応しています。ただ、このタイプは設置方法やディスプレイサイズによって費用が変わってきますので、ネット上に費用は記載がないのが一般的です。

どのような方法にしろ重要なのは、サイネージシステムは設置するだけでは効果はなく、しっかりとアピールするためにコンテンツを作り、視認性良い場所に設置して運用していくことです。電気代だけでなく、コンテンツ運用費がかかることも理解しておきましょう。

より高度で多機能なCMSを利用したより高機能なデジタルサイネージについてはまた別の機会に紹介したいとおもいます。

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