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2017/04/13

屋外広告取引市場「JAODAQ」とは?スマートコムラボラトリーズ代表・川崎日郎氏に聞いてきた

インタビュー
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2017年5月に開設される、屋外広告取引市場「JAODAQ」。

JAODAQは、デジタルサイネージや電飾看板、ポスターボードなどの屋外広告をビッグデータ解析した基準価格をベースとし、売買・企画設計ができるクラウド上の屋外広告取引市場です。

今回は、JAODAQを開設するスマートコムラボラトリーズ代表の川崎日郎氏に開設の背景や今までの屋外広告の課題点、JAODAQの特徴についてお聞きしました。

スマートコムラボラトリーズとは?

もともと、株式会社オリコム、株式会社リコー、豊田通商株式会社、株式会社ネクスティエレクトロニクス(旧株式会社トーメンエレクトロニクス)、株式会社ニッポン放送、株式会社エムコミ・システムズの6社を中心に異業種共同事業として※スマートコムシティ® 事業を展開していました。これらの6社が母体となり、2016年株式会社スマートコムラボラトリーズが設立されました。

川崎氏:「スマートコムシティ® とは、システムを作るのではなく、街にストーリーを作るということで、スマートコムのコムはコミュニケーションのコムなんです。スマートというのは、IoT/ICTが高度に用いられたもので使われている用語です。いわゆるコミュニケーション領域において、街がインタラクティブにむすびつき、価値を想像できるような街にしていこうというのがスマートコムシティなんです。」
※スマートコムシティの詳細についてはこちら

川崎氏:「スマートコムシティを導入していくためには、屋外広告の流通形態をきちっと整備しないといけません。私は広告会社にいたこともあり、屋外広告について多くの課題を感じていました。JAODAQは、そのような課題から生まれたんです。」

基準価格のない屋外広告

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川崎氏:「14年前、私は六本木ヒルズのメディア化を担当したのですが、六本木や丸の内の屋外広告というのは、正直ほっといても売れています。しかしながら、新宿・渋谷・池袋でデジタルサイネージの面が売れているのは渋谷だけです。新宿・池袋は代理店が熱心に売らないんですね。」

− それはなぜなのでしょうか?

川崎氏:「単価が安いからです。もう一つがマーケティングの目標が不明確だから。このふたつの問題があります。というのも、総合広告代理店というのはTV・ラジオ・新聞・雑誌・ネットなど全てを売っています。その中で一番コストパーが悪いのが屋外広告なんですね。例えば、TV広告だったら簡単に1,000万円で売れる。でもデジタルサイネージは10万20万の世界。積んでも積んでも1,000万までもっていくのはたいへんなんですよ。加えて、それにかかるマンパワーおよびタイムフィーを比較すると、コストパーが悪いわけです。つまり、どうやって流通させるかという問題点がありました。」

− たしかに、デジタルサイネージなどは4媒体の余った予算で…というような形が多いような気もします。

川崎氏:「そうなんです。そして、一番は、『このメディアはこのくらいの価格』という※一物一価の法則が屋外広告では成立していなかったことです。つまり、それぞれの屋外広告自体に『これっていくらなの?』と聞かれて『これは◯◯円くらいです』ということが言える基準がない。これは大きな問題です。このままだと、広告としてではなくプロモーションやイベントと紐付けたりとか、あるいは『ここで出たら話題になるよね』っていうふわっとした存在でしかなくなってしまうんです。」
※一物一価の法則(いちぶついっかのほうそく)とは、経済学における概念で、「自由な市場経済において同一の市場の同一時点における同一の商品は同一の価格である」が成り立つという経験則。参照:Wikipediaより

− それでは、屋外広告の値段はどのようにして決められているんですか?

川崎氏:「代理店のメディア開発をした人間に聞いても、大体は『カンと経験と考察とある種の度胸』だと答えます。でも、神の見えざる手というのはやっぱりあって、みんな大体ストライクゾーンの価格におさめてくるんですよ。でもこれではいけない。そこで、販売整備が進んでいる交通広告を中心とした屋外広告のデータ約2万点をデータベース化して、実勢広告価格とサーキュレーションデータの相関関係のビッグデータ解析をし、屋外広告の料金を関数式で計算するというメソッドを独自で開発しました。」

− 凄いですね…!具体的にはどの要素を用いたのでしょうか?

川崎氏:「接触可能人数・メディアの面積・機能という3つの要素を計算して屋外広告基準価格を出すということです。これまでも、屋外広告の見え方や見た結果などを含めて定性的に評価するという試みは行われてきましたが、我々は価格を形成する定量評価に基づいています。広告の基本的機能は、何人の人に見てもらえるかですからね。」

− 屋外広告の料金をきちんと算出した上で、その料金をベースにして高い安いを決めるということですね。

川崎氏:「はい。その算出した基準価格からメディアオーナーが最大上3倍、下50%まで価格を決めることができます。そのため、メディアオーナーが『ここは弱気でいきたいな』という場合や『ここはちょっと強気でいきたいな』という自己判断で売り出し価格を決められるんです。要は、交渉がインタラクティブにクラウド上でできるということなんです。」

JAODAQは現物市場である

Stock Exchange Market Trading Concepts

− 本当に株式市場と同じですね。

川崎氏:「はい。株は賞味期限ないんですけど、屋外広告には賞味期限があります。いわゆる『掲出日』ですね。だから、JAODAQは小麦などを扱う現物市場のようなものだと思ってください。ちなみに、前述したメソッドである『OOH-RePCO(屋外広告基準価格算出公式)』は特許申請を行っています。でも、特許を出願したのは、『誰が考えたとかどこではじめたのか』がわかればいいだけであって、特許化したとしても特許料をもらうというようなビジネスモデルにしたいとは思っていません。」

− なるほど。株式市場というと、一部二部というような形式をとっていますが、それはJAODAQでも同様なのでしょうか?

川崎氏:「そうですね。三部制になっています。一部は接触可能人数がリアルタイムに収集されていることと、接触可能人数が実測値であることが条件です。二部は、接触可能人数が明確であることと、調査会社が毎年一回以上調査することなどが条件です。三部は近くのあの駅が何人だったから接触可能人数は◯◯くらいですという、ざっくりとしたデータの場合ですね。それぞれのステージによって掛け率の差を設けたいと思っています。」

− とはいえ、仮に一部の中でも決して横ばいではないかなと思います。信用たる調査会社を使っていないだとか…。

川崎氏:「その点に関しては、ものすごく細かくやってしまうと参入障壁になってしまう恐れもあるので、大づかみでOKにしましょうというスタンスではいます。結局は、広告主が納得できるのかということなんですよ。それについては、年に一回調査結果などの更新があるので、更新がなかったら『三部に落ちますよ』という通知を送ったりすることはあります。」

JAODAQの強みとは?

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− 現状は代理店からしか買えないという形ですか?

川崎氏:「そうですね。会員制にし、媒体主会員、広告会社会員というのを設けます。媒体主会員と広告主会員による市場がJAODAQです。次に賛助会員枠も設けて、メディアを開発されている方などもこのマーケットに参加していただいて、いわゆる情報の交換もできるというWin-Winの形にしていければいいなと思っています。我々は、デジタルサイネージだけではなく、電飾看板やポスターなどの全体的なことで取引市場を作ろうとしているので。」

− なるほど。では、JAODAQ特有の強みとはなんでしょうか?

川崎氏:「JAODAQはプランニング機能に力をいれています。例えば、『山手線内で10万人にこの期間で接触したい』と入力すると、メディアがセレクションされてでてくる機能もありますし、加えて、規制業種といわれる、いわゆる出してほしくない業種は各メディアオーナーが事前に登録することができて、最初から弾かれていくようになっています。なので、カタログ機能としても最初からセレクション機能がついてるし、プランニング機能もついています。」

− 盛りだくさんですね…!!

川崎氏:「また、登録を各メディアオーナーさんにしてもらうんですが、上場する際には『枠』で上場してもらうんです。要するに、『24枠あったら24枠市場に出さなきゃダメ』ということではなくて、『この期間はこの枠』というように出していただくということが可能なので、自家利用がしたい方や今までの取引経路から出したいという方でも問題ないようにしています。強みとしては、やはり価格をもっていることと、売買ができるということ、そして、広告業界の商取引にインサイトした形をとったということですかね。」

− 上場は臨時メディアでも可能なのでしょうか?

川崎氏:「臨時メディアでもショップの中などでもOKです。基本的に1年前から上場することができるので、『ここに臨時メディアを作る』ということがわかっていれば問題ありません。もちろん全てのメディアに対して、登録するための審査はありますが、根本的に資本関係がしっかりしてれば大丈夫です。与信が通れば大丈夫って感じですね。」

屋外広告のあり方を変える、JAODAQ

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川崎氏:「屋外広告は、歩きながら常に違う人が見るのと、じっくり座って見るのとでは、前者には『同じ人ではなく、違う人が見る』という価値があり、後者には『じっと一人が見る』という価値があります。それらのどちらに重きを置くかというのは、市場が決めればいい。あるいは、用途に応じて選んでいただけたらいいんです。それがJAODAQでは可能なんです。」

今後、屋外広告の流通を変えていく可能性を秘めているJAODAQ。このシステムは川崎氏が足掛け10年で考えて作ったそう。
JAODAQは市場だからこそ、多くの参加者が必要になるものです。それ故に、多くの企業に参加して欲しいと川崎氏はいいます。

開設は2017年5月。

ぜひ、興味のある方は実際にお話を聞いてみてください。

スマートコムラボラトリーズURL:https://smartcom.co.jp/
ビルオーナー・広告会社向け説明会詳細:https://smartcom.co.jp/pressrelease_20170227/

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