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2017/12/07

デジタルサイネージを知る!DSCスペシャルセミナーレポート【前編】

イベント取材
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2017年9月26日(火)、慶應義塾大学三田キャンパスにて、デジタルサイネージの業界団体であるデジタルサイネージコンソーシアム(以下、DSC)が、設立10周年を記念して「DSCスペシャルセミナー」を開講しました。

そもそも2007年に設立されたDSCは、デジタルサイネージにおけるUI・UXの改善、環境情報や他メディア・スマホ等との連携手法やコンテンツ制作手法の確立、ガイドライン・システム標準の策定等の諸課題を解決するために発足した組織です。
デジタルサイネージコンソーシアムURL:http://www.digital-signage.jp/

今回のセミナーは、そんなDSC会員の方達がデジタルサイネージを取り巻く環境を、初心者にもわかりやすく説明してくれるというもの。
というわけで、その模様を前後編の2回に分けてレポートしていきます。

前編は、デジタルサイネージの仕組み・広告モデルについてです!

なお、DSCの活動の詳細については本メディアにて取材したデジタルサイネージコンソーシアムの活動内容とは?事務局に行って聞いてきた・前編をご覧ください!

システムの基礎と、2020年に向けて

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まずはデジタルサイネージの仕組みやシステムに関する講義からスタート。初級ということでわかりやすく、主に現行サービスを紹介していきます。
講師は(株)ニューフォリア 代表取締役社長/DSC理事 多田 周平 氏と、 (株)QOLP 代表取締役 草水 美子 氏。

ここではサイネージの仕組みとシステムについて、プレイヤーの役割を解説。広告、ロケーションオーナー、システムインテグレーター、ハードウェアなど、全体の構造を紹介していました。

このセッションの中で、注目だったのは「2020年に向けてどうなっていくか」ということ。
2015年時点の総務省の資料(「2020年に向けた社会全体のICT化アクションプラン(第一版)」)の中に、無料Wi-Fiや多言語管理、4K8K、セキュリティと連なる中で、デジタルサイネージの機能の拡大も明確に書いてあります。

ではデジタルサイネージの機能の拡大とは何か?特に注目されるのは、災害情報や五輪情報の一斉配信、多言語対応をはじめとする個人情報に応じた情報提供だと多田氏は言います。これは、デジタルサイネージシステムの実装機能の検討骨子にも含まれており、実証実験も行われています。

これらの総務省の動きに対し、DSCとしても部会で活動を行いながら、ガイドラインを策定しているそう。サイネージシステム標準指数システムガイドライン、災害コンテンツガイドライン、アテンドサイネージガイドラインはWEB上からも無料でDLできるガイドラインで、随時改訂しているといいます。

基本的な知識とこれからデジタルサイネージはどのようになっていくのか?ということをしっかり知ることができるので、ぜひご興味ある方はDLしてみて下さい!

サイネージ標準システム相互運用ガイドライン

災害コンテンツガイドライン

アテンドサイネージガイドライン

トッププレイヤー達が語る、サイネージ広告のイマ

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サイネージビジネスにおける悪魔のささやき

オリコム吉田氏のこんなキャッチーな言葉から始まったのは、サイネージの広告モデルについて解説した「2:広告モデルの実務/事例紹介」。サイネージの広告モデルや気をつけるべき事など、事例を交えながら紹介していきます。

株式会社オリコム OOHメディア局 シニアディレクター/DSC理事 吉田 勝広 氏、株式会社ジェイアール東日本企画 交通媒体本部 デジタルサイネージ推進センター長/DSC理事 山本 孝 氏、 (株)東急エージェンシー ビジネス創造センター東急プロジェクトプロデュース局長 菊井 健一 氏と多数の実績を誇る講師陣の講演は、実に聞き応えのある内容でした。

サイネージビジネスにおける悪魔のささやきとは

サイネージを導入するにあたり、基本的に何に気をつけなくてはいけないか。大事なのは、何に使うのか、何のためにつけるのか、誰が誰に何を伝えるのか、何を期待するのかと、jekiの山本氏はいいます

漠然と、ただサイネージをつけるだけで広告が集まってくるかというとそうではありません。

吉田氏の言う「サイネージビジネスにおける悪魔のささやき」がそれを指し、サイネージがあるから儲かりますよ…なんて甘いことはないのです。サイネージを置くことに対する目的やゴールの設計、サイネージの得意分野や苦手な分野、ランニングコストや収支バランスのコスト感をしっかりと考える事
これがまずは重要であると山本氏は説きます。各項目についての注意すべき点の詳細な解説は、基礎的でありながら見落としがちなポイントを的確についており、今すぐに実践できる・考え直せる点が詰まっていました。

サイネージビジネスの「5つのP」

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では広告収入を得るためにはどうしたら良いか。サイネージで大事なのは、「4つのP」ならぬ「5つのP」が大事であるというのが吉田氏の説です。

マーケティング業界では基礎的な「4つのP」、目にされたことがある方も多いのではないでしょうか?
サイネージの広告においてもこれらは当てはまりますが、5つめのPである「Process」も重要になってきます。これは見落としがちですが、慣れない内はこのProcessにつまづいてしまうことも多いのです。
では、一つずつみていきましょう。

「Product」は商品価値、媒体価値。「広告的な価値があるのはサイネージではなく、ロケーションなんです」という山本氏の言葉から、いかにその場所に価値があるか、接触人数×接触時間を見極め、ロケーションの持つ価値をサイネージを使ってマネタイズすることが重要であるかが伺えます。

「Price」は価格設定。ここで重要なのは3点、販売期間、ロールの長さ、スケジュールです。特にロールの長さはサイネージにしかない強みと言えます。コストから逆算するのではなく、ニーズから考えていくということが大切です。
ここでいう「スケジュール」が入稿や配信、放映までのフローで、吉田氏的5つのPの「Process」にも当てはまります。筆者も経験がありますが、紙媒体と違い配信や放映の部分において慣れない内はすんなりとはいきません。ここは特に意識したいところです。

「Place」は広告流通です。「放っておいても売れ続ける広告枠は存在しないので、売り続けるための経済分野におけるエコシステムの構築が必要」と、サイネージのエコシステムについて菊井氏は解説します。メディアレップを介した代理店型やADプラットフォーム型の他に、クラウド市場を使った屋外広告相場情報システム(JAODAQ・ジャオダック。本メディアのインタビュー記事)も最近登場し、新たな動きを見せているそうで、こちらも目が離せません。

最後は「Promotion」です。広告を販売する立場から、広告だけいれても見ないよね、ではなく、広告に対してリスペクトをして欲しいと熱く語るのは吉田氏。思わず立ち止まって見てしまう広告など、サイネージの高い視認力を生かしつつ、空間設計の構成要素として活用できると言います。

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以上の5つのPを、実際の数字や成功事例、滅多に聞けないサイネージの失敗事例などを交えながら、とてもわかりやく解説。成功事例も大事ですが、失敗事例から学ぶことは非常に多く、その失敗事例があるからこその現在のサイネージ市場が成り立っているのだと感じました。先人の努力の上に、今のサイネージ業界が成り立っているのです。

最後にまとめとして、サイネージビジネスで失敗しないためには、目的・成果を充分に検討する、収支計画をしっかり事前に検討する、広告販売のためのエコシステムを構築する必要がある、というまとめで締めくくられました。

後編では引き続き、販促モデルとサイネージの現在と未来についてレポートしていきます!

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