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2017/07/27

今後のサイネージ業界の動向は!?DSJ2017で行われた3つのセミナーまとめ

イベント取材
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前編、後編に渡ってお伝えしたデジタルサイネージジャパン2017(DSJ2017)。最新のデジタルサイネージだけではなく、業界関係者が登壇する専門セミナーも数多く開催されていました。

今回は、その中から3つのセミナーをピックアップしてデジタルサイネージ業界の動向をチェックしていきたいと思います。

  1. 「SNS」「インタラクティブ」「コンテンツ連動」店舗と顧客を繋ぐwebアプリケーションサイネージ活用のヒント
  2. 鉄道におけるデジタルサイネージの最新トレンド~新型車両や駅コンビニでの展開事例、タッチパネルのトレンド~
  3. 2020年に向けてデジタルサイネージが果たす役割と将来像

「SNS」「インタラクティブ」「コンテンツ連動」店舗と顧客を繋ぐwebアプリケーションサイネージ活用のヒント

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まず最初は、webアプリケーションサイネージの活用のヒントからです。登壇者は下記の3名。

<モデレーター>
川村 行治
(株)インセクト・マイクロエージェンシー
代表取締役
<パネラー>
川畑 裕介
(株)マイクロアドデジタルサイネージ
取締役
武藤 崇雄
C Channel(株)
ビジネスマネージャー

そもそもこのセッションの前提として、webベースドサイネージが必要不可欠だということです。コンテンツをどう生かすかが大事な店舗において、インターネットに接続されていないUSBを用いたデジタルサイネージではクリエイティブな運用は難しいからです。

では、常時インターネットに接続されたサイネージをどのようにして生かせばいいのでしょうか。

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デジタルサイネージを設置する場所は大きく分けて2つあります。1つめは交通広告系のサイネージ。こちらは、元々ポスターだった場所をリプレイスする形でデジタルサイネージが設置されました。そのため、リプレイスされたのは「広告」です。しかし、店舗でサイネージにリプレイスされた場所は手書きポップやポスターを張っていた自社のメッセージを発信する場とお客さんとコミニュケーションをする場でした
つまり、店舗でのデジタルサイネージの有効な使い方は販促イベント・自社の広告・広報など多岐に渡るのです。そして、デジタルサイネージの強みは決して広告だけではない、様々な活用の仕方ができることです。このリプレイスされた場所とデジタルサイネージの強みを生かすことで本来の用途が見えてきます。

そして、その多様な使い方において大事なことは、サイネージを設置してからの「運用」と「流すコンテンツ」です

コンテンツづくりを手がけるC Channelの武藤氏はこう言います。
「やはり見てもらうコンテンツを作るのは非常に大変です。C Channelも最初は再生数が伸びませんでした。その理由は、作り方をTVCMっぽく作ってしまったことにあった。そこで、一年前からコンテンツの作り方を変えて、一分間で伝わるようなHOW TO動画にしました。例えば、料理ができるまでの工程などをわかりやすく伝えることによって再生数が一気に伸びました」。

店舗サイネージのコンテンツも武藤氏の言うように、TVCMのようなものではない「ユーザーが自分事にできる」ものを作ったほうがいいということです。

また、運用面ではデジタルサイネージはポスターと違いランニングコストがかかります。皆さんが言っていたのは、2年も3年も平常通り運用できるのかという部分で導入を足踏みをしてしまうということです。

そこで必要なことがシステム連携。店舗のデジタルサイネージがタイムライン化されれば「メーカー側の広告を入れる」等のことができ、ロケーションオーナーがすべて費用負担する必要がなくなります。

つまり、インターネット常時接続時代のデジタルサイネージにおいて大事なことは、
➀まず、なんのためにやるのか、何からリプレイスされたのかということを常に考えてコンテンツ制作、システム連携などをしなければならない。
➁アドネットワークやコンテンツ制作を支援する会社もあるので、様々なリソースを活用すれば費用負担などのマイナス面も緩和される。
の二点が大事なポイントになってきます。

このセッションに登壇している、インセクト・マイクロエージェンシー、マイクロアドデジタルサイネージ、C Channelの三社はアドネットワーク、コンテンツ制作も手がけているのでお困りの際はぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

非常に参考になるセッションでした。

鉄道におけるデジタルサイネージの最新トレンド~新型車両や駅コンビニでの展開事例、タッチパネルのトレンド~

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このセッションは、写真撮影禁止だったのでテキストだけになりますが各社のトレンドが非常によくわかる内容でした。

<モデレーター>
吉田 勝広
(株)オリコム
OOHメディア本部 OOHメディア局 シニアディレクター
<パネラー>
山本 孝
(株)ジェイアール東日本企画
交通媒体本部 デジタルサイネージ推進センター長
森田 英行
(株)メトロアドエージェンシー
媒体本部媒体販売局 次長
手老 善
西武鉄道(株)
沿線事業企画部 広告担当 主任

まず、各社のデジタルサイネージにおいての取り組みについてです。

ジェイアール東日本企画

・数多くの人が毎日目にするトレインチャンネルは約27000面になり、売上は前年比10%の増加を記録。また駅構内にて展開しているJ AD VISIONは61駅500面弱に増え、売り上げも好調。
・新型のE235系の山手線では、デジタルサイネージを一編成あたり288面設置するとのこと。走るデジタルサイネージになる日も近い!※2020年にすべての山手線が新型になるとのこと。
・コストを抑えられるように、後付けでデジタルサイネージを設置することができ、新潟を走るE129系に設置されている。
・ニューデイズへのデジタルサイネージ端末の導入も進んでおり、2017年6月現在、71駅153面に

メトロアドエージェンシー

・東京メトロは、東京メトロビジョンを昨年全路線導入。
銀座線は100%、今年度は千代田線、半蔵門線を100%にするそう
・メトロコンコースビジョンも設置面数を増やしている。様々な売り方を模索している。

西武鉄道

・中吊り広告を廃止した車両をリリースした。※本メディアでもインタビュー取材に行きました。https://www.si-po.jp/post/interview/26879.html
・西武鉄道が多くのデジタルサイネージを導入している池袋駅は、一社買いも多く、定価で稼働率100%に。「出したくても出せない」状態になっている

各社デジタルサイネージを続々と導入中!

上記のように、各社かなりデジタルサイネージの面を増やしています。そして、その人気も非常に高いものになっているそう。そして、それに紐づく広告出稿も増えている様子。

ジェイアール東日本企画の見逃せないトピックスとしては、やはり山手線の新型車両でしょう。現在も走っており乗ったことのある方も多いかと思いますが、網棚の上の部分がデジタルサイネージになっておりまさに新時代を感じさせます。
また、ニューデイズのデジタルサイネージでは、「売っている商品」のクライアントさんの広告が好調だそうで、販売促進として導入しつつも枠売りで広告枠も販売しているといいます。

メトロアドエージェンシーでは、今年のデジタルサイネージアワードにも選ばれたマジョリカマジョルカのデジタルサイネージを展開したりと、クリエイティブにもかなり力を入れています。


※マジョリカマジョルカの動画です。

西武鉄道も新車両の導入における中吊り広告のデジタルサイネージ化と独自の売り方(エリア毎に買い切りというような)で高い稼働率を誇っています。

また、最近のトレンドとしては、「筐体を見せないようにする」ということがあるそう。西武鉄道の石神井公園駅に設置されていたメルセデス・ベンツのデジタルサイネージは筐体そのものを革張りにするなど、様々な工夫がなされているといいます。
加えて、アナログとデジタルサイネージを融合させるパターンも増えてきているとのことで、モニターなどの機材よりもコンテンツにお金をかけて「世界観を作り込む」ようなクライアントが増えてきているそうです。

このようなこだわりが、SNSなどの拡散につながっているとのこと。確かに、最近街中でもキレイな画面が当たり前のようにあるので「驚き」や「シェアしたい」と言った感情をハードウェアで与えることは難しいことになっているのかもしれません。

各社ともに今後更にデジタルサイネージを増やしていくとのことなので、交通広告においてデジタルサイネージの地位は更に上がっていくことでしょう!

2020年に向けてデジタルサイネージが果たす役割と将来像

このセッションは、IoTおもてなしクラウド事業の中で行われた竹芝を中心としたデジタルサイネージの実証実験をについてと、それを元にこれからのデジタルサイネージについて語るセッションです。
昨年行われたデジタルサイネージジャパン2016のセッションの後から始まった実証実験。今回はその結果を中心にお伝えしていきます。

今回の議題の核となる、総務省が掲げるICT化アクション・プランについては下記の記事をご覧ください。
【解説編】総務省発表の「2020年に向けたICT化アクション・プラン」で、どう変わる?
【サイネージ編】総務省発表の「2020年に向けたICT化アクション・プラン」で、どう変わる?

<モデレーター>
吉田 勝広
中村 秀治
(株)三菱総合研究所
政策公共部門副部門長
<パネラー>
仲田 陽子
総務省
情報通信国際戦略局 情報通信政策課 課長補佐
越塚 登
東京大学
大学院情報学環・教授
髙橋 竜之介
(一社)CiP協議会
事務局長
竹上 慶
(一社)デジタルサイネージコンソーシアム 国際標準戦略部会 幹事
日本電信電話(株) 研究企画部門 プロデュース担当 担当部長

では具体的に、IoTおもてなしクラウドと題してどのようなことをしたのでしょうか。

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地域実証実験概要:

千葉・幕張・成田地区(千葉市美術館、イオン幕張 等) スムーズなホテルのチェックイン、美術館へのチケットレス入場、デジタルサイネージによる自国語での観光情報・経路案内等の提供、レストランでのなサービスの提供、多言語翻訳の実証を実施。

六本木・虎ノ門エリア(羽田空港国際線ターミナル、ホテルオークラ 等) 空港からリムジンバスを利用しホテルに宿泊する訪日外国人に対する情報伝達・チェックイン、免税手続き、レストランでのスムーズな情報提供の実証を実施。

乃木坂エリア(国立新美術館) 美術館へのチケットレス入場、デジタルサイネージによる自国語での文化情報の配信を実施。

竹芝エリア(竹芝客船ターミナル、汐留ビルディング 等) デジタルサイネージによる自国語での観光情報・経路案内や、災害情報の提供を実施。

渋谷地区(渋谷ちかみち総合インフォメーション 等) 音楽イベントへのチケットレス入場や、デジタルサイネージによる自国語での観光情報の提供の実証を実施。

上記が、具体的な実証実験の概要になります。

登壇者の東京大学 越塚教授は、「おもてなしにおいて、万人受けのものではなくそれぞれの個人に合わせたサービスの提供が必要になってきている」といいます。実証実験内容の「自国語」というキーワードにもあるように、典型的な例では、「フランス人ならば英語ではなくフランス語でお伝えする」ということが必要になってくるとのこと。それは人だけではなく、時間・場所によっても違うコンテンツを出さなければならないということです。

つまり、今回行われたおもてなしの本質は「万人向けのサービス」ではなく「サービスの個人化」です。そのため、これからのデジタルサイネージはしっかりとパーソナライズ(車椅子など身体属性に応じた道案内 等)されるということが最低条件になってくるといいます。
だからこそ、どのようにして観光で来ている方が個人情報を安心して渡せる環境を作れるのか?ということが今後の課題になります。

加えて、竹芝エリアでの実証実験におけるモニターからの意見は、大半がポジティブなものだったそう。
一方で、ネガティブの意見としては、災害情報コンテンツについてが挙がっていました。具体的には
何が起きているかは理解できたが、危険な情報だという認識ができない。『今ここでなにをしなければいけないのか』をもっとコンパクトにして欲しい

というような意見もあり、一斉配信についてはもっとブラッシュアップしなければならない。ということでした。

今後はこれらのフィードバックや実証実験の結果を踏まえて更におもてなしを追求していくとのこと。
このおもてなしという領域にデジタルサイネージが欠かせない存在になっているということを再認識したと同時に、今後も更にデジタルサイネージが必要不可欠なメディアになるということを確信したセッションでした。

中村伊知哉氏、デジタルサイネージ調査隊隊長補佐も登壇!来年はぜひ専門セミナー行こう!

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ちなみに…

「実例と経験に基づいたタッチパネルサイネージの極意~ユーザーに使ってもらうために必要なこと~」
というセッションにモデレーターとして、デジタルサイネージ調査隊隊長補佐の弊社・小坂が登壇していました。

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また、本メディアにてインタビュー取材させていただいたデジタルサイネージコンソーシアム理事長の中村伊知哉氏も「2020 デジタル Tokyo~大画面4K8Kライブビューイングビジネス創造に向けて~」に登壇。

このように、デジタルサイネージジャパンは展示ブースだけではなく、専門セミナーでもデジタルサイネージ業界の最先端を知ることができます。
業界の一線で活躍している方々のお話を聞くことができ、かつ、今後のビジネスに役立つ情報を多く聞くことが可能です。

ぜひ、皆さんも来年は展示だけでなく専門セミナーにも足を伸ばしてみてください。

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