1. HOME
  2. イベント取材
  3. グランプリは博多通りもん!?デジタルサイネージアワード2017受賞作品レポート
2017/06/08

グランプリは博多通りもん!?デジタルサイネージアワード2017受賞作品レポート

img_9514

毎年6月に行われる、1年に1度のデジタルサイネージの祭典、デジタルサイネージジャパン
国内最大級デジタルスクリーンメディア産業イベントです。今年(2017年)は、6月7日(水)〜9日(金)の3日間幕張メッセにて開催。

様々な企業の展示ブース最新のデジタルサイネージを見たり、数々の業界著名人らによるセミナーに参加し、デジタルサイネージの今とこれからについて学ぶことができます。

そんなデジタルサイネージジャパンの初日に行われる見逃せないイベントが、デジタルサイネージ業界の啓蒙、そしてデジタルサイネージ業界の認知度向上を目的として行われるデジタルサイネージアワード。この1年間の優秀なデジタルサイネージを決定する、デジタルサイネージ好きには見逃せないイベントです。

昨年のデジタルサイネージアワード2016では、イメージソース上海北京電通広告有限公司、上海江崎格力高食品有限公司(グリコ)による、ポッキーの空き箱1300箱でスクリーンを作った、“Happy Pocky Faces”グランプリを受賞していました。

果たして今年はどんな作品が受賞したのでしょうか…!?受賞作品を一挙ご紹介します。

ライゾマの齋藤氏も参加!今年の審査員の方々は…?

毎年、デジタルサイネージコンソーシアムが主催しているデジタルサイネージアワード。
今年の審査員は以下の方々です。

審査委員長
中村 伊知哉(一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム)

審査員
江口 靖二(デジタルメディアコンサルタント)
齋藤 精一(株式会社ライゾマティクス)
佐村 智幸(パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社)
神内 一郎(株式会社電通)
中村 秀治(株式会社三菱総合研究所)
西村 真里子(株式会社HEART CATCH)
濱 隆雄(株式会社博報堂DYアウトドア)
山本 孝(株式会社ジェイアール東日本企画)

(敬称略 50音順)

昨年に引き続き、「技術・ハードウェア部門」「クリエイティブ部門」「広告部門」「ロケーション部門」「インタラクティブ部門」の5部門と「グランプリ」が設置され、さらに今年はDSC10周年を記念する「DSC10th anniversary」が追加されました。

今年の応募数は28作品
そんな数あるノミネート作品の中から、栄えある賞を受賞したのは…!?

アプリやイベントと絡めたサイネージが受賞!インタラクティブ部門

初めに発表されたのは、インタラクティブ部門2つの作品が受賞しました。

1作品目は、株式会社JR東日本ウォータービジネス『イノベーション自販機・acure pass<アキュアパス>』

2017年3月14日から同社が開始した、専用のアプリ、acure pass<アキュアパス>を使って事前に購入した商品を、駅に設置されたイノベーション自販機受け取ることができるという新サービスです。
イノベーション自販機は首都圏約20箇所に設置されており、アプリ内のQRコードをかざすだけで商品をゲット。

通勤・通学途中の時間のない朝でも、財布を出すことなくスマートに商品を手に入れることができます。また、商品を購入するごとにポイントを貯めることができ、貯まったポイントを好きな商品と交換することも可能。

また、LINE、Facebook、Twitterなどを用いてURLを送るだけで、アプリ内で購入した商品を友人や同僚にプレゼントすることもできるので、ちょっとしたお礼などにももってこいです。

2作品目は、Perform Investment Japan株式会社株式会社プラチナム、株式会社メディアコンシェルジュ株式会社パス・コミュニケーションズ大日本印刷株式会社による『DAZN Human Billboard』です。

2017年2月25日〜26日の2日間、2017明治安田生命Jリーグ開幕を祝い、原宿の神宮前交差点にて設置された、高さ約3.6m、横幅幅約8.5mの巨大なビルボード
このビルボードにはスタジアムのスタンドを再現した映像が流され、参加者はタブレットをフリックすることで、映像内でPKにチャレンジすることができます。

ただインタラクティブなビルボードを設置をするだけでなく、イベント化し、PKに成功すると、他の参加者たちがサポーターとして歓声を送ってくれたりと大盛り上がりだったとのこと。

また、PKチャレンジ終了後には参加者へのヒーローインタビューも行われ、普段サッカーを見る側のサポーターたちが、Jリーグ選手の疑似体験を行うことを可能にしました。デジタルとアナログを融合させることで、このイベントでしかできない体験を生み出したのです。

最新テクノロジー作品と、アナログにかえった作品が受賞!技術・ハードウェア部門

続いて発表されたのは、技術・ハードウェア部門
昨年は3作品が受賞しましたが、今年の受賞作品は2作品でした。

1作品目は、ソニー株式会社株式会社共同通信デジタルによる『ニュースマネージャー』

テキストのニュース原稿自動的に音声再生し、そこに、仕草や表情が連動するCGのニュースキャスターも組み合わせた作品です。ソニーのボイステクノロジー(音声対話技術)を用いて、機械的ではなく自然な音声で自動再生することを可能にしました。

実際に2016年8月6日〜22日までの17日間、渋谷にある大型街頭ビジョン、「ソニービジョン渋谷」で実証実験を行い、多くの通行人に新しいニュース番組を届けたとのこと。この技術がデジタルサイネージ業界に普及すれば、ただ情報をテキストで表示するよりも訴求力の高いコンテンツが、容易に作れるようになるかもしれません。

2作品目は、株式会社NTTドコモ株式会社カケザンIMG SRC(イメージソース)による『FLIP DOT』です。

携帯電話サービスで有名な株式会社NTTドコモ。2017年3月10日〜16日の間、「ドコモの学割」キャンペーンとしてJR秋葉原駅横幅約6メートルの巨大なフリップドットウォールを設置しました。

「ドコモの学割」キャンペーンは、25歳以下の若者を対象としており、数ある広告や数あるキャンペーンの中で、若者にどう足を止めてもらうかを考えた結果、解像度の高い映像が一般的な現代で、あえてドットに挑戦することに。

25,000枚もの白と黒の円盤でできたウォールには、「ドコモの学割」キャンペーンの詳細がドットで書かれており、内臓のセンサーによってインタラクティブな仕掛けが施されています。目の前に立ち、YesかNoの質問に答えると、それぞれ別の情報が表示されるそう。また、目の前に立つと自分の姿がドットで表示されるなど、足を止めやすい仕組みに。

この規模のドット広告は日本の国内広告では初めての試みだそうで、20,000人以上の人が体験したそうです。

まるでアート作品のようなデジタルサイネージ!クリエイティブ部門

続くクリエイティブ部門の受賞作品も2作品

1作品目は、株式会社サンシャインシティ株式会社丹青社による『サンシャインシティ噴水広場』です。

日本国内の商業施設では最大級のサイズである大型ビジョンの映像に連動し、3種類の噴水が繰り広げる演出は圧巻。

毎時00分〜、30分〜のタイミングで、ダンスを踊るような軽快な映像と噴水の動きが連動した「Adventure of pieces」、ドラマやアニメの音楽を担当している人気作曲家、澤野弘之氏が提供するオリジナル楽曲に合わせ、日本の四季を感じることができる「siki」、様々な乗り物の映像と3D音響により、乗り物が目の前を通り過ぎる臨場感を感じることができる「Dynamic sound wave」がそれぞれ1回ずつ行われます。

大人も子供も楽しめる、大規模なデジタルとアナログの融合作品。買い物の休憩がてら、素敵な時間を過ごすことができます。

2作品目は、株式会社資生堂ビービーメディア株式会社による『マジョリカ マジョルカ MAJOLICA MUSEUM』です。

2017年2月13日〜19日の間、東京メトロ新宿駅構内に設置されたこちらのデジタルサイネージ。駅構内の柱の形に合わせ、隣り合うサイネージを連動させることで、柱の中をくり抜いたように見える仕掛けが施されています。

これにより、サイネージ内に表示されるマジョリカ マジョルカの商品立体的に見え、まるで空間の中に浮いているような印象に。また、1つの1つの柱に違う商品が表示されているので、駅構内がマジョリカ マジョルカの博物館になってしまったような不思議な感覚に陥ります。

多くの人が日常生活の中で行き来する駅構内をインスタレーション作品にしてしまった、アート作品のようなサイネージ広告です。空間自体を広告に変えてしまうという手法は、今後広まっていくことでしょう。

デジタルサイネージの原点と今後の可能性を感じることができる、広告部門

広告部門の受賞作品も2作品ありました。

img_9949

1作品目は株式会社明月堂株式会社オリコム株式会社ビデオ・ステーション・キューによる『巨大X線検査機 出現/博多通りもん』

福岡・博多といえば定番のお土産屋さんである、博多通りもん博多名物のお菓子を販売しており、福岡空港内にも店舗を構えています。

そこで福岡空港の出発保安検査場前大型サイネージに表示されたのが、X線検査を受ける荷物全てに「博多通りもん」のお菓子の菓子箱が入っているという映像。画面の大きさや映像の流れるスピードが、まるでそこに巨大なX線手荷物検査機があるかのような錯覚を覚えさせます。

審査員であり、デジタルメディアコンサルタント江口氏曰く、この作品は

「クリエイティブの原点、サイネージの原点にかえっている。
この場所でしか成立しない企画であり、難しい仕掛けが一切ない分、単純にクリエイティブだけでここまでやれることを感じさせてくれる作品。」

とのこと。

インタラクティブでなく、シンプルで単純なデジタルサイネージですが、その場所を生かしたクリエイティブで多くの人を魅了したようです。

2作品目は、インタラクティブ部門とダブル受賞
Perform Investment Japan株式会社株式会社プラチナム株式会社メディアコンシェルジュ株式会社パス・コミュニケーションズ大日本印刷株式会社による『DAZN Human Billboard』です。

審査員である株式会社ライゾマティクス齋藤氏は、

「この作品はディスプレイとしてのサイネージだけでなく街に対してアクティブに開けている広告。
デジタルでは様々なことができるけど、人間にしかできないダイナミクスもある。
今後増えていくであろう人間+デジタルの両方を使ったプロモーションの可能性を見せてくれた。」

と述べていました。

その場所だからこそ提供できるコンテンツを。ロケーション部門

ロケーション部門の受賞作品は2つ。

img_9983

2017年4月3日から都営バス内に設置されたリアルタイムデータ連動型デジタルサイネージです。天気・気温・時間・位置情報に応じて、サイネージ上に流れるコンテンツが変動するという仕組み。

例えば、気温が30度を超える熱中症対策のコンテンツを流したり、渋谷が近くなる渋谷にある居酒屋の情報を流したりしてくれるのだそう。
その時、その場所に応じたコンテンツを流すことで、私たちの移動時間を楽しいものとしてくれるだけでなく、災害時にも有益な情報を流してくれるのではないかと、期待が高まっています。

2つ目の作品は、株式会社明月堂株式会社オリコム株式会社ビデオ・ステーション・キューによる『巨大X線検査機 出現/博多通りもん』

広告部門に引き続き、ダブル受賞です。

審査員である株式会社電通神内氏

「アウト・オブ・ホーム・メディア(OOH)広告の教科書的な作品」

と絶賛していました。

この場所でしか成立しない広告
天神駅でも博多駅でも使えない。広告主の明月堂さんに感謝

DSC10周年を記念した、DSC10th anniversaryに選ばれたのは…?

続いて発表されたのは、今年特別に追加された、DSC10周年賞
受賞したのは、技術・ハードウェア部門とダブル受賞となる、株式会社NTTドコモ、株式会社カケザン、IMG SRC(イメージソース)による『FLIP DOT』

懐かしさがありつつも斬新なビジュアルだけでなく、音も良いのが魅力の1つなのだそうです。

最も多くの審査員が選ぶ、今年のグランプリ作品は…!?

最後はいよいよ、グランプリの発表。
「技術・ハードウェア部門」「クリエイティブ部門」「広告部門」「ロケーション部門」「インタラクティブ部門」の5部門の入賞作品の中から、最も多く審査員の票を集めた作品グランプリとなります。

めでたくデジタルサイネージアワード2017のグランプリを受賞したのは…

株式会社明月堂株式会社オリコム株式会社ビデオ・ステーション・キューによる『巨大X線検査機 出現/博多通りもん』でした!!!

審査委員長であり、デジタルサイネージコンソーシアム理事長でもある中村伊知哉氏

「今だけ、ここだけにしか成立しない、これぞデジタルサイネージという作品。
この10年間でデジタルサイネージは進化し、多様化していったけど、原点にかえって“サイネージってこうだよね”と思わせてくれる。」

と述べていました。

「原点」を忘れずに、新たな手法を見せてくれるデジタルサイネージ

デジタルサイネージアワード2017で見事グランプリを獲得したのは、デジタルサイネージの原点にかえった、『巨大X線検査機 出現/博多通りもん』でした。
審査員の方々が口を揃えて評価していたのは「今だけ、ここだけにしか成立しない作品である」ということ。
それを実現できるのであれば、シンプルに情報を流すだけのデジタルサイネージでも、ユーザーの心に訴えかけるものがあるということを改めて感じることができました。

また、他の受賞作品には「サイネージ+アプリ」や「サイネージ+人」、「サイネージ+アナログ」など、サイネージに何かを組み合わせたものが多く、今後はサイネージ単体ではなく、何かと組み合わせることで、サイネージを使った広告手法の可能性を広げていくことが予想されます。

2020年に向け、原点を大切にしながらも、新たな可能性を見せてくれる、ユーザーの心に響くデジタルサイネージが増えていくことでしょう。

会員登録する
SIPOではデジタルサイネージ業界の最新動向を配信中。
会員登録して、いち早くニュースを受け取りましょう!

「いいね!」で
最新情報をお届け

img_9514